年末に近づくにつれて、何となく1年を振り返ったり来年のことに思いを馳せますが。
ここにきて、有名歌手の方の訃報が相次いでいます。
いずれの方も、現代の平均寿命からすると短いという印象です。

しかし、60年で干支が一回りする算命学の観点からすると、この方々の寿命は、ちょっと昔の感覚ならば天寿を全うしている人生とも言えます。

アーティストで例えるならば、一曲ミリオンセラーを生むだけでも、充分すぎるものすごい成功です。
印税だけで、おそらく一生分の金銭的な保障は得られているはず。
日々暮らすお金にカツカツしている人ならば、憧れて止まない不労所得というやつです。

寿命が短い時代ならば、この成功だけでも人生大満足で天寿を全うすることができました。
しかし時代の移り変わりとスピードが早くなった現代は、時間だけが持て余し気味となり、空白が増えてしまいます。
成功にも賞味期限みたいなものがあるわけです。
大成功した方の人生って、案外その後の生き方が難しいのは事実です。

更に、寿命が延びるということは、ある種中身が薄まることを意味していますから、我々現代人の生き方も少し難しくなってきている悩ましさが生まれてきます。

薬物で大きく身を持ち崩してしまう方も多いですね。
有名なAさんは元々は大変ストイックで真面目、育った家庭環境も厳格な父親が居ることで知られています。
そして本人も、剣道の有段者。

遊び心が無く、決してバカなことができないマインドが形成され大人になっていきます。
言い換えるならば、間違ったことは許されないというマインドです。
冒険、遊びを知らないで育った人は、持て余したエネルギーや財の上手な使い方を知りません。

これが当たると思って事業始めちゃったんだよねー
信じていた人に騙された、詐欺にあった。
全然うまくいかなくて大借金だけが残ってしまった、などなど。
有名人だからこそ大々的に報じられて、その様子を世間は見て
あーだこーだと言います。

しかし人生のバランスという観点から考えると、こうなってしまう人は案外正しい選択をしていることが分かります。
反社会的行為をせずに大借金だけがあるならば、ある種健全であり、借金返済のためにまた自らを奮い立たせて仕事に励むことができます。

つまり、すごい成功をしてる人はすごい失敗をして、初めて人生のバランスが取れるのです。

そして寿命が延びに延びた現代、大きく成功した人ほど何度も失敗したりおバカなことをやらないと、命が持ちません。
大成功していますから、何もしなくてもお金だけは使いきれないほど入ってきます。
バカができなければ、命を削ることしかできなくなります。

負荷を軽くするには、大きく入った財を世の中に放出していく手法をたくさん知ることです。
財団を作ったり、基金を作ったり、後進を育てることに力を注いだり。
そういう手法をたくさん知って取り入れている人ほど、命にかかる負荷は軽くなっていきます。
例え一見無意味な行為に見えても、大きく成功した本人の財から離れてしまえばそれで良く、その財の行方や使い方は別の問題です。

反社会的行為で財を使うと、魂は汚れていきますので、これまでの成功は実りのないものに終わってしまいます。
素晴らしい名曲の数々も帳消しになってしまうほど汚れますから、本当にもったいないことです。
結局のところ、後世に残せるものは記憶だったり感動だったり目に見えないものだけだからです。

しかし誰かのためになるならば。。。そんな気持ちで出すお金は、役立つ財となる確率は圧倒的に高くなりますし、喜ばれる使い方ができたという本人の満足度も上がり、心が綺麗になっていくことでしょう。

そして、有名無名関係なく。
寿命が延びたということは、何度もやり直せることにも繋がります。
そして全てにおいて「時短」となっている現代は、色んなことに取り組みすぎくらいがちょうど良いレベルかもしれません。
例えば、何度も違う仕事に挑戦したり、趣味や嗜好をガラッと変化させたり。色んな顔を持つこと。

泣いたり笑ったり怒ったり楽しんだり。。。
心に新鮮さをいかに保つことができるか、これが私たち現代人が抱える最重要課題かもしれません。

必ず最後に愛は勝つ
いつ口ずさんでも元気が出る曲を作り出して下さったこと、素晴らしい名曲を汚さない生き方を全うされたこと、心から尊敬と感謝を込めてご冥福をお祈りしたいと思います。