足るを知る

癸卯年 癸亥月 辛卯日(2023年11月29日)

 

古来からの教えはありがたいものでもありますが。

しかし、そのありがたみや長い歴史の深みが時として人間の閉塞感に繋がりやすいことがあるのも事実です。

最近気になったのが「足る」という言葉。

  • 足るを知る

足るを知る」は、「身分相応に満足することを知る」という意味であり、
足りていることを知り、何事にもありがたみをもつ」ということです。

本当に本当に「足る」を知ってるんでしょうか?

自分にとっての「身分相応」の基準ってどこにあるんでしょう?

少なくとも日本では身分制度自体は、表向きはないですから。

身分相応って自己判断に委ねられてるってことが多く難しいですよね。

  • 衣食足りて礼節を知る

着るものや食べるものが十分にあってこそ、人は礼儀や節度をわきまえるようになる、ということ。

衣食足りてという言葉も、かつては確かにあったと思います。

食べるものさえままならなかった時代ならよくわかります。

でも、今何時代?って(笑)

これらの諺は、言葉の表面的な意味だけじゃない、もっと深い真理があるのは充分承知の上でお伝えしたいのが。

多くの人が、言葉の表面だけで何か分かったような気持ちで満足するような傾向がないかな?と。

衣食足りて礼節を知る

社会制度の枠組みとしては、今の日本において餓死する人は居ません。

(虐待などの犯罪行為は別)

今暮らせる家もあって仕事もご飯もあって、だから充分満足です私は。

いや、日本人ほぼ皆、そうなりましたよね。

では、そんな飽和国家の中での礼節ってなんでしょう?

我々人間は、安定した環境で飼い慣らされたモルモットみたいな生活で満足して良いの

かな?簡単に足りてるって言って良いのかな?

わきまえてばかりいては、閉塞感でつまらなくなるんじゃないかな?

文明が発達すると人間の本能が退化してしまうのも真理なのかもしれません。

生きるか死ぬか、そんな本能を忘れるほどの安定は、真っ先に滅びてしまうと思います。

何事もなく無事に1日を過ごせる幸せはもちろん大事ですが。

でもそれって、本当に本当に生と死ギリギリ状態の人が言って初めて説得力が増す言葉。

こんなに衣食足りている国家で、こういう言葉がありがたがられる世の中って、

どれだけみんな弱ってるんでしょうね。

むしろ足りてないんじゃない?って思ってしまいます(笑)

満足ってそんな簡単に得られるものじゃないと思いませんか?

古くからの教えは確かにありがたいことですが。

人間は進化するはずの生き物。

時として、ありがたみを持って受け入れられてきた教えを。

疑ってみる、忘れてみる、変えてみる。

それこそが、霊長類最高峰の人間だけができる技ではないでしょうか。